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見出しに著作権がないって?

 つい先日、読売新聞社が、ネットでニュース記事へのリンク機能を提供するネット関連業者を著作権法違反で訴えていた裁判で、被告が無罪になったというニュースが流れていた。

 被告となった有限会社デジタルアライアンスは、ホームページにニュースの見出しが自動的に表示され、その見出しをクリックすると、リンクされたYahoo! Japanニュース掲載の記事本文が画面に表示されるシステムを作り、多数のホームページユーザーに無償で提供していたらしい。ここに流れる記事の「見出し」は、Yahoo! Japanニュースに掲示されているマスコミ各社の記事の見出しを流用する仕組みで、デジタルアライアンス社は、見出しの合間に挿入される広告で収入を得ていたという。

 読売新聞社は、Yahoo! Japanに有償で提供していた記事の見出しが、デジタルアライアンス社に無断で使用されたものであり、これは著作権法違反に該当すると主張した。

 ところが「知的財産権判決速報」の「H16.3.24 東京地裁 平成14(ワ)28035 著作権 民事訴訟事件」判決要旨によれば、デジタルアライアンス社が流していたのは、見出しだけであり、20文字程度の短い文字数からなる見出しは「創作物」とは認めがたく、したがって著作物と認められないという。当然、著作権法違反にもならない、というわけだ。

 その判決はさておき、上記の判決要旨のなかにある読売新聞社の主張が面白い。同じニュースを伝える他社の記事の見出しと比較して、いかに創意工夫が凝らされて作られているかを検証しているのだが、その自画自賛ぶりが、ほほえましくも思えてくる。整理部のベテラン記者たちが、こんなやりとりをしながら見出しを作っているのも、きっと事実なのだろう。

 実は、この判決のニュースを知ったとき、真っ先に思い浮かべたのは、スポーツ新聞のことだった。スポーツ紙には、実に扇動的で扇情的な見出しが多いのだが、そのトップを走るのは、誰がなんといおうと、やっぱり「東京スポーツ」である。「松井秀喜、K1に転向決定」という見出しにつられ、あわてて「東スポ」を買ってみると、折り返したところに「か?」と書かれていたり……といった経験を持つ人は少なくないはずだ。

 これが創意工夫といわずして何といおう。だいたい、見出しの元になる記事だって創作が多いのだから、見出しだって事実の要約ではなくなってしまう。つまり見出しも創作物になっていいはずだ。とりあえず実例として「東スポ」サイトの「東スポギャラリー」のページを見ていただきたい。ここに「東スポ」魂がある。

 昔、『ゲームセンターあらし』を描いていた頃、毎回のサブタイトルや必殺技の名前に詰まると、駅に「東スポ」を買いに出かけては、プロレスの記事や見出しを参考にしたものだった。こんなことでお世話になった身としては、もしも「東スポ」の見出しに著作権が認められなかったりしたら、怒るぞ、きっと。

 ところで昨日の「東スポ」サイトに掲載された「稼頭央はインケツなのか」って見出し、これ何の意味?


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